揺れる被写体〜もっと強く愛して〜



「それとも……」




離れようとしたら手が伸びてきて、俺のジャケットの襟に触れてきた。
更に密着してる気がする…!




「本性……炙り出しますか?」




な、何言ってんだ…?
コイツ……絶対面白がってる…!




「なんてね、さぁ帰りましょう」




スッと体が離れて再び電気が点いた。
何事もなかったかのようにケロッとしやがって……ムカつく。
扉を開けようとしたから走ってバタンっと閉めた。
そして今度は俺から電気を消す。




びっくりした表情で見上げるレイに壁ドン状態の俺は、ブレーキなんか効かなくて……
2回目の消灯……今度は非常灯が点いてる。
だから顔がはっきり見えるんだ。




慌てる様子もなく、この状況を受け入れてる感じ。
ほら、またあの瞳をする。




「暗闇じゃなくても本性は出すよ」




お前を目の前にして、
こんな近くに感じて、
この俺が抑えきれるわけがない………




「レイ……」




今度は逆に俺が顎を持ち上げる。
吸い込まれるような眼差し。
揺れる瞳に……もう奪いたくなってる。



「レイ……俺のこと好きになれよ」




優しく重ねた唇。
触れてしまえば歯止めが効かなくなって……深く求めてしまう。
抵抗しないってことは、そういうことだよな?
首に回した手が答えなんだろ…?




止まらないぞ…?このまま………
服の中に手を滑らせた。
細いウエストに触れてそのまま上へ……
バストに触れる一歩手前でレイの手がその手を止める。




唇が離れて再び見つめ合う。




「撮影期間中はキスだけで我慢して……」




そんな瞳して言うの反則だろ……
止められないって……
細い指が頬に触れる。




「その欲しくて欲しくてたまらない顔……撮り続けたいから」




こんなこと言われたら欲望が爆発するってこと分かっとけよな。
激しく重ねた唇をありのまま受け入れてくれるレイにどこかで折り合いつけねぇとなって頭では分かってるけど……




「胸だけでもダメ……?」とか言っちゃう俺は馬鹿野郎だ。
笑いながら「ダメ…」とか可愛過ぎ。
わかったよ……でもまだ足りないから放してやんない。




その瞳………完全に誘ってんだろ。
欲しくて欲しくてたまらない顔してんのどっちだよ。
撮影終わったら……
絶対落としてやるから………




忘れられなくしてやるから………






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