揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
「久しぶり」
バックステージに戻って来たレイに声をかけた。
後片付けをしてるスタッフたちが行き交う場所で俺たちだけが目立ってる。
「少しだけ話いい?」と聞いたら頷いたからそのまま手を引き、裏口に停めてあったワゴンに乗せた。
運転手は居るが後部座席は見えないようにしてある。
思わず抱きしめてしまう俺に抵抗しないでいてくれるレイの温もり。
匂いが鼻をかすめたら……
触れてしまったら……
空白だった時間なんて一瞬で戻ってしまうんだ……
「レイ……逢いたかった……」
「うん……」
背中に回る手が愛しくて……
止まらなくなる。
「びっくりした?」
「……かなり」
「じゃあサプライズは成功だな」
頬に触れて唇を親指でなぞる。
揺れる瞳……
ずっと手に入れたかった。
もう離さない……
「レイ……もう止めたって無理だから」
拒否られる前に強引に重ねた唇。
離れてはくっついて徐々に深くなっていく。
シートに押し倒してもまだ足りないくらい……
お前でいっぱいにしてくれよ……
上着を脱ぎ捨て再び重ね合う。
「待って……」
「待たない」
「ちょっと……やめて?」
「無理…!」
Tシャツをめくり胸のあたりにキスを落としたら、両手で頬を包み込み無理やり持ち上げられた。
「じゃあここで大声出すよ…?」
「うっ……何でだよ、今すぐレイが欲しい」
「このまま私を犯したら一生専属契約しないから」
「だから何で!?俺、何か悪いことした?」
乱れた服を直し、俺のシャツのボタンも留めてくれる。