揺れる被写体〜もっと強く愛して〜



「もしかして、キスマークのこと気にしてます?」




「え……?ハハ、まさか」





「言っときますけどついてませんから」




「へ…!?」




「何なら見ます?」




「いや、大丈夫……」




「昨日はキョウちゃん早くに酔いつぶれたんで結局ひとり飲み…」




「そ、そうなの?」




「晴美さんに見られたのは見間違いです、ホラ」




少し捲って鎖骨見せてくるから思わず目を逸らした。
「バ、バカ…」俺、男だぞ…!




「顔真っ赤……可愛い」




「からかうな…」




「え、耳まで赤いよ?」




「やめろ…!」




顔を覗き込むからクルクル回りながら逃げる。




「ストップ…!目廻るよ?」




両腕を支えられ向かい合う形に。
思いきり避けてきたのに、嫌でも視線が重なってしまう。
やめろ……見るな。
その瞳で上目遣いはヤバ過ぎる。
そっと降りた手は俺の腕をなぞり、そのまま指を絡めてきた。




「ちょ、ちょっと…!」




どんどん絡んで恋人繋ぎに。
頭のてっぺんまで血が上る。
ギュッと握って俺の反応を楽しんでるのがわかる。




「な、何してんの…!?離して…」




細い指も、今にも触れそうな体も、
真っすぐ見つめる視線も全部……
俺の理性を蝕んでいく。




「ヤダ……勝手に誤解してんだもん、私とキョウちゃんの仲」




「それは…っ、もう誤解してないから…」




頼むからもう離れてくれ………
これ以上は俺の方がヤバい………




「じゃあこっち見て……」




「え……?」







< 60 / 158 >

この作品をシェア

pagetop