揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
そんな生足出したまま構えられても……俺だって男ですよ?
いくら撮影だとしても、俳優だろ?と言われてもちょっと乗り切る自信ない……
クスクス笑いながら後ろに下がっていく。
そんな挑発にマジになる俺は彼女の腕を掴んでレンズに向かってキスをした。
その一瞬たりとも逃さないシャッター音。
誰もが息を呑む空間。
静かに撮影は続く中で、この瞬間だけは恋人同士になれた。
肩に頭を預ける真似、自然と笑い合う。
カメラマンとこんな撮り方するの生まれて初めてだよ。
本当に素の自分が出せてると思う。
さすが噂通りなんだよな……
でもやっぱり狡い。
だから思いきって彼女の膝に寝てみた。
ちょっとびっくりされたかな。
「え、ダメ…?」
見上げながら聞いたら無言でカメラを構えられた。
真っすぐレンズを見つめる。
精一杯の俺の開き直り、気付かれないといいな。
撮影だから、そう理由付けて思う存分楽しんでやろうかと思った。
このドキドキを撮影中だけは本物だと信じて。
「ここ、気持ちいい…」
シャッター音も段々心地良くなってきてスーッと眠気が襲う。
実は昨日眠れなかったせいもある。
柔らかなももの上でいい匂いに包まれたら……
「プッ…!アハハハ…!」
彼女の笑い声で撮影はストップ。
目がバチッと開いた俺は体を起こす。
一瞬何か起きたのかわからなくてキョロキョロしてしまう。
「撮影で寝落ちとか初めてだわ…アハハハ…!」
お腹を抱えて笑う姿に周りのスタッフたちもつられて笑ってる。
「ご、ごめんなさい」
「一旦休憩入れようか?」