揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
それからの時間はとてつもなく長く感じた。
会いに行けないもどかしさの中での振る舞い。
彼女じゃないカメラマンに微笑まなきゃいけないツラみ。
「レイ………会いたいよ」
一日の最後は必ずといって言いほどそう呟く。
「韓国に来る予定はないそうだ」とマネージャーに告げられ更に落ちる。
しばらくは日本で活動するみたい。
グスン………
過去にレイが手がけた有名人の写真集を見てみた。
やっぱり違って見える。
好きだからとか感情は抜きにしても、きっとレイはその人の魅力を最大限に引き出してるんだろうな。
僕を撮った写真もこっちではものすごい反響があった。
今までにないパク・ジヒョンだってかなりの注目だったよ。
自分でもこんな表情してたなんてびっくりした。
出逢って数分の出来事だなんて信じがたい。
カメラから顔を上げた時のあの真っすぐな瞳。
すっかり心を奪われてあなたを忘れられない僕は、日本行きの飛行機に乗って会いに行くなんてドン引きされるのかな。
突然現れた僕にあなたはどんなリアクションするのだろう。
もしかしたら忘れられてる可能性も……
極秘で来日した僕には常にマネージャーがついている。
単独行動は原則禁止なんだ。
事務所の規定だから仕方ないと言えば仕方ないんだけど。
「ねぇ、今の僕に熱愛報道が出たらどうなるの?」
「ペンが黙っていないさ」
ペンとは日本で言うファンのこと。
一応、僕も韓流スターという枠の中に居る一人だから。
事務所的には今は仕事に邁進してほしいとのこと。
万が一、熱愛報道が出ても潰せる力はあるらしい。
「その時はジヒョンだけの問題じゃなくなるからな?相手側にも迷惑がかかるってことだけは肝に銘じておいてくれよ」
はぁ………息が詰まる。