揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
「ごめん、やっぱメンズ欲しいかな」
「誰呼びますか?」
「うーん………」
カメラの前で考え込むレイ。
腕を組んで見てたけど、自然と足が動いたのは気付いていながら僕をスルーしたのが気にくわなかったから。
「うーん…」と唸るレイの隣に立ち、顔を覗き込む。
張りつめた空気感のスタジオの中。
再び僕に気付いたあなたは「あ……」と言う。
「僕、とか……どうですか?」
こんな提案も臨機応変でしょう?
というより、またあなたのカメラで撮られたいだけなんだけどね。
「そうしてくれると有り難いけど……事務所的にOKなの?」
「しばしお待ちを……」
すぐさまマネージャーに連絡を取り、事務所にも連絡をしてもらった。
レイの名前を出したらすんなりOKが取れて逆に驚いた。
やっぱり反響が大きいみたいだ。
隣で韓国語の会話を終えた後、
「レイなら良いって」と伝えたら現場に笑顔が溢れた。
日本でもかなりあなたを慕う人間がたくさん居るんだね。
急いで採寸され衣装を用意される。
ジャケットを羽織った僕が再度登場すると皆の視線を独り占めだ。
勿論、レイも太鼓判を押してくれてる。
異例ではあるがメグミちゃんとも初めましてでそのまま撮影が再開された。
細かく指示を出してくるからこっちも俄然やる気が漲る。
「いいよ……その視線……」と言われたくて試行錯誤を繰り返す。
段々とメグミちゃんとの距離が近くになり、壁ドン状態だ。
なかなか身長の高いモデルさんだからあまり屈まなくても顔が近い。
「顎クイしてみて」
「アゴクイ…?」