想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
いちばん楽しそうだから、と迷わず答える。
「小道の奥にこんな家が隠されているって想像すると、わくわくします。行ってみたいし住んでみたいと思いました。旗竿地っていう立地の不自由さを克服するというより、逆に楽しんでいるみたいなおおらかさと遊び心があって」

誰が設計したのか好奇心がわく。聞いてはいけないことだけど。

「やっぱりそうだよね。僕もそれを選んだ」
佐倉さんに伝えておくよ、森山さんが顔をほころばせて口にする。

ひとの考えに流されたくないけれど、チームのメンバーと意見が合うのはやっぱり嬉しかった。

当たり前だけど、誰だって目標に向かって努力している。
そんなことを改めて思う。

頂上へ向かう山の道は登りばかりじゃない。
祖父のそんな言葉が、記憶のプールから浮かび上がってくる。

尾根をつたっていったん下りになるときもある。急峻なルートに挑むばかりが登山じゃない。迂回路を選んでもいい。頂上にたどり着いて眺める景色は、まぎれもない自分のものだ。

迷いながらでもいい、自分の道を行こう。
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