想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
腕がほどかれ、つまのま向き合って、ふたたびしっかり抱きしめられる。二度と離すまいというように。
わたしも自分の腕を彼の体に回して、それが答えだった。

「旅行のときの美織のひとことがきっかけで、【Yo-haku】の着想がわいた。もし美織がいなかったら———もうそんな日々が考えられないんだ」

「わたしは、圭介さんのそばにいて少しでも役に立てれば、それだけで幸せです」

「愛するひとができると、臆病になるものなのかな」
と彼がつぶやく。

「臆病?」

「美織を失うことが怖い。こんな気持ちは生まれて初めてだ」

「ずっとそばにいます」
混じり気のないこの気持ちを見せられたらいいのに。

「女性は強いな。男は単純な生き物だからな」

どういう意味だろう。

「直斗には負けない。部下にそんな感情を抱くのはNGだけど」

「べつに彼とはなにも…」

「分かってるけど、あいつはいい男だ。油断できない」
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