想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
・
ふたりの男性と、そして自分の人生と正面から向き合うという事態が、一気に降りかかってくるなんて思ってもみなかった。
当たり前だけど、なにかを選ぶということは、もうひとつの選択肢を手放すということ。
そして選択した結果を、自分で引き受けるということだ。
だからこそ心は揺れ動いてしまう、どうしようもなく。
佐倉さんには、思うことをできるかぎり正直に伝えた。
デザイン部で働くうちに、より深くデザインに関わりたい気持ちが芽生えてきたこと。
心の中にあったイタリアの芸術文化への憧れ。
そして、直斗さんにプロポーズされたことも。
佐倉さんを愛する気持ちは変わらないけれども、いちどひとりになって考えたい。そう申し出た。
このままずるずるとそばにいて、一緒に暮らして、彼の腕に抱かれて、情に流されてものごとを決めたくなかった。
佐倉さんはわたしを見つめて「俺は美織を信じてる」とだけ静かに口にした。
どうしてそんなにもわたしを思いやってくれるのか。その胸に飛び込みたくなる衝動をこらえながら、くちびるを結んで一礼する。
そうしてわたしは佐倉さんのマンションを後にした。
ふたりの男性と、そして自分の人生と正面から向き合うという事態が、一気に降りかかってくるなんて思ってもみなかった。
当たり前だけど、なにかを選ぶということは、もうひとつの選択肢を手放すということ。
そして選択した結果を、自分で引き受けるということだ。
だからこそ心は揺れ動いてしまう、どうしようもなく。
佐倉さんには、思うことをできるかぎり正直に伝えた。
デザイン部で働くうちに、より深くデザインに関わりたい気持ちが芽生えてきたこと。
心の中にあったイタリアの芸術文化への憧れ。
そして、直斗さんにプロポーズされたことも。
佐倉さんを愛する気持ちは変わらないけれども、いちどひとりになって考えたい。そう申し出た。
このままずるずるとそばにいて、一緒に暮らして、彼の腕に抱かれて、情に流されてものごとを決めたくなかった。
佐倉さんはわたしを見つめて「俺は美織を信じてる」とだけ静かに口にした。
どうしてそんなにもわたしを思いやってくれるのか。その胸に飛び込みたくなる衝動をこらえながら、くちびるを結んで一礼する。
そうしてわたしは佐倉さんのマンションを後にした。