切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
キャップを外して「さあ、飲んで」と私に差し出した。
「ありがとうございます」
玲司さんからペットボトルを受け取りゴクッと飲む。
「美味しい」とにっこり笑って返せば、彼も口に運んだ。
あっ……間接キス。
そんなことを思ったが、玲司さんは気にする様子はない。
私が意識してるだけか。
煩悩だらけ。
「さあて、本堂目指して行きますか」
玲司さんはリュックにペットボトルをしまい、私の手を掴む。
「はい」
ハニカミながら返事をして、また石段を登る。
少し休憩したせいか、身体が少し軽くなった。
しばらくすると、国の重要文化財にも指定されている本堂が見えてきた。
石段を五十段ほど登って本堂に入れば、中には黄金の阿弥陀如来像があって私達を迎えた。
「とっても優しい顔」
じっと仏像を見てそんな感想を口にすれば、玲司さんは私の方を見てクスッと笑った。
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