切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
でも、日帰り湯だけでも入れたらラッキーだな……なんて思っていたら、ある古そうな木造建築の旅館の玄関前に玲司さんは車を停めた。
「降りるよ」
「え? ひょっとして日帰り湯ですか?」
パアッと笑顔で質問すれば、彼はニコッと微笑んだ。
「ここに泊まるよ」
泊まる?
いまいち状況を把握できないまま車を降りれば、中から旅館の男性スタッフが出て来て、玲司さんは車のキーをスタッフに預けた。
着物姿の仲居さんがトランクにあった荷物を運び、玲司さんに手を引かれて中に入る。
フロントで彼は書類にサインだけして、仲居さんの案内で部屋に向かう。
エレベーターで三階に行き、左手の奥に【桔梗の間】と書かれた部屋があった。
「こちらになります」
仲居さんが部屋の戸を開けて荷物を運び入れる。
そこは渓流美が堪能できる部屋で、心が癒やされる。
「わ〜、素敵!」
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