切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
だが、急に周囲が暗くなって、母がどこかへ消えて行くのが見えた。
お母さ……ん?
行かないで!
ひとりにしないで!
どんなに叫んでも母は戻って来ない。
嫌! ひとりは……嫌だよ。
そう思った時、玲司さんの声が聞こえた。
『大丈夫。美月をひとりにしないよ』
この上なく優しい声に心がホッとする
うん、大丈夫。
彼がいてくれるから寂しくない。
「美月、そろそろ夕食の時間だから起きようか?」
また玲司さんの声がしたけど、今度ははっきり聞こえて、パチッと目を開けた。
目の前は畳。
眠ってた? でも、この枕温かい。
温かい?
よくよく見ると、枕の生地は玲司さんの着ていたカーキ色の浴衣と同じ物で……。
ひょっとして玲司さんの膝じゃないの?
気づいたら玲司さんの膝枕で寝ていて慌てて飛び起きた。
「きゃあ〜、玲司さん、ごめんなさい」
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