あなどれないね、世唯くん。



***


そんなこんなで、千景くんのペースに振り回されながら補習の最終日を迎えた。


本来なら2週間を予定されていたけれど、千景くんの教え方がうまかったおかげで、課題がスラスラ進んでいき、終了が予定よりかなり早まった。


秘密の部屋の場所を教えてもらってから、お昼休憩のときはいつも千景くんを起こしに行くのが役目。


そして、この起こすことも今日が最後。


もっと補習の日が延びたらいいのに……。


少し寂しいな……なんて思いながら、秘密の部屋の扉を開けた。


いつもわたしが起こしに来ると、千景くんは寝ていることがほとんどで起きていることはない。


今日も変わらずきれいな寝顔で、スヤスヤ眠っている。


ソファに横になって眠る千景くんに近づくために、その場にしゃがみこむ。


この寝顔を見ることも今日で最後……。


無防備な寝顔に、そっと手を伸ばした。


普段起きてるときは、こんなふうに触れることは恥ずかしくてできないけれど……。

眠っているのをいいことに、積極的な気持ちが出てくる。

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