あなどれないね、世唯くん。
なんとか寝室までたどり着いて、部屋の扉を開ける。
う、うわ……ひ、広い……。
無駄なものがいっさい置かれていなくて、シンプルで広い空間。
そのど真ん中に、めちゃくちゃ大きなサイズのベッド。
こ、これぜったい1人で寝る広さじゃない。
「……いと?」
はっ、いかんいかん。
部屋の広さに呆然としてる場合じゃなかった。
早く世唯くんをベッドのほうに連れて行ってあげないと。
身体を支えてあげながら、ようやくベッドに腰かけることができた。
世唯くんは相当身体がだるいのか、そのままバタッとベッドに倒れこんでしまった。
「あっ、世唯くんいったん着替えられる?」
ラクな部屋着に着替えたほうがいいだろうし、制服もシワになるから。
「ん……、着替えクローゼット」
だるそうな世唯くんが指差した先に茶色のクローゼットがある。
これは、わたしが勝手に開けていいの?
緊急事態だから仕方ない…と思いながら着替えをクローゼットから出した。