あなどれないね、世唯くん。



ほんと甘え上手なんだから。
そんなこと言われたら突き放せないじゃん。


「か、身体だるくない?」

「ん……だるくない」


多分だるいのかな。
口ではだるくないって言ってるけど、無理してるのはなんとなくわかる。

このままだとわたしも身動きが取りにくいし、世唯くんの風邪も悪化しかねないから。


「せ、世唯くん?
お願いだからベッド戻ろ?ちゃんと寝ないと」


「……糸羽から離れたら死んじゃう」


「うぅ……。じゃあ、いま言うこと聞いてくれたら、あとで世唯くんの言うことなんでも聞くから」


すると、世唯くんがあっさり離れてくれた。

あ、あれ?


「……なんでも言うこと聞いてくれるの?」

「う、うん。できることなら」


「……じゃあ、今は我慢する。
あとでちゃんと俺の言うこと聞いてよ?」

「無理なことは言っちゃダメだよ?」


「んー、だいじょーぶ。
甘いことしか言わないから」

「……?」

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