卑劣恋愛
「こんなの、付き合ってるとか言わないだろ!」


「どうして?」


読み返してみてもどこかおかしいのかわからなかった。


あたしのメッセージに武はちゃんと返事をしてくれている。


「全く会話になってないのに、どうして気が付かないんだよ……」


会話になってない?


そうだろうか?


あたしは首を傾げてメッセージを読み直した。


やっぱり、変なところはない。


「武は適当に返事をしてあしらってるだけだ」


「なんでそんなこと言うの?」


「なんでって……」


そこまで言って、智樹は口ごもった。


その時グラウンドから元気な声が聞こえてきて、あたしはハッと息を飲んだ。


こんなくだらないことをしている間に、サッカー部の練習が始まってしまったみたいだ。
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