俺様彼氏と冷静彼女……こんなので付き合っていける?
始業式を迎えた
マンションを降りると一人の女の子が立っていた
私に気づくと
「おはよう!」
と声をかけてきてくれた
「お、おはよう」
(同じ制服……)
「南ちゃんだよね、あたし有田瑠莉(ありたるり)」
「滝川南です」
「涼が一緒に行ってやってくれって」
「あっ、友達がここに住んでるって言ってたのが有田さん?」
「うん!瑠莉でいいよ、行こ」
二人はお喋りしながら学校に向かった
「あっ、涼が正門にいる」
「えー、どこ?いないじゃん」
「いるよ、涼〜」
瑠莉はブンブンと手を振った
「おっす、瑠莉、南」
南は立ち尽くしていた
「涼なの?」
「おう」
「全然別人じゃ……んぐ」
涼は南の口を塞いですぐ手を離した
「朝からうるせぇ、瑠莉サンキュ!俺こいつを職員室つれてくからみんな先に教室いってろ」
涼の周りにいた何人かに声をかける
「あっ、涼様よ」
「涼様おはようございます」
「おーす」
涼は別人に見えた、サラサラの前髪はワックスであげられ少し襟足の長い後ろ髪はゴムで結わえられていた、あげた前髪の右側はわざと少し垂らしている
「隣の人誰?」
「涼様が待ってたなんて親戚とか?」
大丈夫かな?
涼は南の肩に軽く手を回してみた
「やめて、目立つ」
涼の手を払った
「ちぇっ、ケチ」
ケチって、そういう問題じゃないから……
転校ってだけで目立つのにこれ以上目立ちたくないから
涼と歩いてるだけで皆が見ていく