俺様彼氏と冷静彼女……こんなので付き合っていける?


隼人と涼も食べ終えたかに見えたが隼人が涼の付け合せの野菜に手を出す

「ちょっと待って!」

「ああ?」

雄星が南に聞く

「涼、野菜……なんで残してるの?」

「いつもの事だし、隼人がいつも食べてくれる」

「涼はいつも野菜は残すんだよ」

隼人は涼のお皿を自分の方へ引き寄せた

「ちょっと隼人くん、席変わって」

通路側にいた隼人と南は席を変わった

「涼……」

雄星が心配そうに涼を見る

涼は、はぁ、と諦めたように椅子にもたれた

南がフォークで付け合せのインゲンをすくって涼の前へ……

「はい、あーん」

南が優しく声をかける

涼はもたれたまま口を開けた

インゲンを口にほうり込む

「おっ、涼、大丈夫か?」

雄星が心配そうに見る
黙ってモグモグと食べる涼

「無理なら俺が食うよ?涼」

隼人も声をかける

「美味しいでしょ、次人参ね」

次の野菜が用意された

涼は何も言葉を発することなく口を動かす

そしてまた口をあけ人参が入っていく

「あっ美味い、人参て甘かったっけ」

「ちゃんと味付けしてあるの、柔らかいでしょ?」

「うん」

「涼が野菜食べた」

雄星はびっくりして涼の食べる様子をじっと見る

「驚いたな、涼が外で食べるなんて初めてかも……」

(ん?外?)

隼人の言い方に少し疑問もあったが涼が食べたので南はフォークを置いた

「隼人くんらが涼を甘やかせ過ぎなのよ、この間ピーマンも食べれたんだから食わず嫌いなだけよ」

「いや、南ちゃんが食べさせたからだよ、僕はいつも言ってるし、でも言っても聞かない……勿体ないから僕か雄星が食べてるんだ」

「もう〜、ちゃんと食べなさいよね、人に食べてもらってそれを当たり前みたいにしないの!わかった?」

涼は口を動かしながら頷いた

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