俺様彼氏と冷静彼女……こんなので付き合っていける?
「出なかった……でも………」
「こう来た?」
隼人が涼の顔に下から覗き込んだ
「うっ、まあ……」
「それってさ、意識したんじゃないの?」
「意識?」
「南ちゃんの唇を見ちゃったとかさ」
「えっ?」
涼は黙ってしまった
「はぁ、全くー、お前はモテるのに恋愛オンチなんだから」
「なっ、お前だって彼女いないじゃんか」
「彼女いてもいなくても自分の気持ちはわかる、涼は南ちゃんのこと好きって自覚がないんだよ」
「好き?最初ちょっとエロって思った」
「なんでだよ!」
「服が濡れて透けて……」
「あー、それは別、みんな思うわ」
「………そっか」
「僕はね、涼の蕁麻疹は何か香料じゃないかと思ってる」
「香料?」
「香水か、化粧かどっちかわかんないけどさ、雄星が勝手に大騒ぎしてるから僕もまあ、女よけにいいかって思ってたけど、あとは何か精神的な事とか……何か南ちゃんと話してて他になかった?」
「………母親の事少し……話した?かな」
「それは蕁麻疹の事がよぎる前?後?」
「前……俺を寂しがり屋って言った……違うのに」
「じゃあ、前に戻るけど蕁麻疹が出た先輩って何か家のこと言った?忘れてるなら別にいいけど」
「…………………あー」
〘 あー、恥ずかしかった、お母さん見に来てるのに……涼くんとこは来てる?もし涼くんとこも来てたらどうしよう、ごめんね〙
「……言った」
「そっか……涼はさ、南ちゃんの言うとおり寂しがり屋だと僕も思う、自覚してないけど小さい時から親とあまり会ってないんだから寂しいのが当たり前なんだよ、もう高二にもなってって思うかもしんないけど一緒に育ってきた僕だからわかる……母さんにもまだ遠慮もするし」