俺様彼氏と冷静彼女……こんなので付き合っていける?
南はソファーに座り、出してくれたジュースを飲む
「おうちの人はお仕事?」
「まあ、仕事だけど、今はいない、俺一人で住んでる」
「えっ、一人?食事とか掃除、洗濯は涼がしてるの?」
「ハウスキーパーが日曜日以外は来てくれるよ、今日は熱で休みだけど」
「休みだったら他の人が来るんじゃないの?」
「昔から専属の人一人しか来ないよ、会社に頼んでる訳じゃないからな」
「そう」
「南は何で引っ越して来たんだ?」
ジュースを飲み干してテーブルに置いた
「うん……」
南は黙ってしまった
「言いたくないなら無理に聞かないけどさ……」
「あっ、大丈夫、お母さんが再婚したのね、その人が……お父さんが転勤になってね、じゃあ結婚しようかってなったらしくてついて来たわけよ」
「ふーん、南は残るって言わなかったんだ」
「そう……だね、考えたよ一応(笑)やっぱり別々に暮らしたら生活費かかるし、前は市営のアパートだったから一人で残るなら出なきゃいけないし、こっち来たら会社がマンション用意してくれるっていうからそれにも釣られた感じかな」
「良かったな、俺という友達が出来て(笑)」
「そうだね、女の子の友達もすぐ出来るかな?」
「お前は俺と話せるからすぐ出来る」
「何?その自信(笑)」
「自信しかないな(笑)」
ピーピーと乾燥機の止まる音がした
「あっ、着替えてくる」
南は着替えをするためにリビングを出た