俺様彼氏と冷静彼女……こんなので付き合っていける?
「ごめん……じゃあちょっと下ごしらえするから涼はリビングにでも行ってて」
「えー」
涼の背中を押して台所から追い出した
「おい、触るなよ〜」
「別に背中じゃん、はいはい、出て、出来てからのお楽しみ」
南はドアを閉めて夕食の準備にとりかかった
追い出された涼は暫く洗面所にこもり鏡を見ていた
大丈夫……みたいだな
一時間ほどたった頃、南はリビングに入っていった
キルがゲージから出されていて南の方に寄ってくる
「キル〜よしよし」
キルの身体をわしゃわしゃ撫でてやる
(あれ?涼は?)
「キル?ご主人様は?」
キルはリビングの窓に向かう
外を見るとビニールハウスに人影が見えた
(涼なのかな?)
南は玄関に回り外に出てビニールハウスに向かった
「涼?」
ビニールハウスの中に入っていく
「涼いる?」
「こっち」
声のする方へ歩いていく
「どこにいったのかと思ったよ、綺麗な花が一杯だね」
「だろ?これは胡蝶蘭なんだけどさ、親がよく貰うみたいなんだけどすぐ枯らしちゃうんだよ、調べたら温度や水の調節で二度咲きするらしいから育ててるんだ」
南は花の匂いを嗅いだ
「あまり匂いはしないね」
「胡蝶蘭はほとんど匂いのない花なんだ、だから店とかの開店用によく使われるんだぜ」
「へぇ〜、詳しいね、花好きなの?」
「好きになったかな、自分で育ててると(笑)どれか選べよ、やる」
「えー悪いよ、だって高いんでしょ?」
「元々貰い物だからいいよ、好きなの持って帰れよ」
「枯らしちゃうよ」
「いいよ、花は枯れるものだし」
「そう?じゃあこれ!」
「ん、わかった」
涼は南が選んだ花を持って出る
「このビニールハウスってお花だったんだね、涼が世話してるの?」
「まあな」
「野菜とか育ててるのかと思った」
涼は無言だった
(もしかして、野菜が嫌い?)