俺様彼氏と冷静彼女……こんなので付き合っていける?


「ごめん……じゃあちょっと下ごしらえするから涼はリビングにでも行ってて」

「えー」

涼の背中を押して台所から追い出した

「おい、触るなよ〜」

「別に背中じゃん、はいはい、出て、出来てからのお楽しみ」


南はドアを閉めて夕食の準備にとりかかった

追い出された涼は暫く洗面所にこもり鏡を見ていた

大丈夫……みたいだな



一時間ほどたった頃、南はリビングに入っていった

キルがゲージから出されていて南の方に寄ってくる

「キル〜よしよし」

キルの身体をわしゃわしゃ撫でてやる

(あれ?涼は?)

「キル?ご主人様は?」

キルはリビングの窓に向かう

外を見るとビニールハウスに人影が見えた

(涼なのかな?)

南は玄関に回り外に出てビニールハウスに向かった

「涼?」

ビニールハウスの中に入っていく

「涼いる?」

「こっち」

声のする方へ歩いていく

「どこにいったのかと思ったよ、綺麗な花が一杯だね」

「だろ?これは胡蝶蘭なんだけどさ、親がよく貰うみたいなんだけどすぐ枯らしちゃうんだよ、調べたら温度や水の調節で二度咲きするらしいから育ててるんだ」

南は花の匂いを嗅いだ

「あまり匂いはしないね」

「胡蝶蘭はほとんど匂いのない花なんだ、だから店とかの開店用によく使われるんだぜ」

「へぇ〜、詳しいね、花好きなの?」

「好きになったかな、自分で育ててると(笑)どれか選べよ、やる」

「えー悪いよ、だって高いんでしょ?」

「元々貰い物だからいいよ、好きなの持って帰れよ」

「枯らしちゃうよ」

「いいよ、花は枯れるものだし」

「そう?じゃあこれ!」

「ん、わかった」

涼は南が選んだ花を持って出る

「このビニールハウスってお花だったんだね、涼が世話してるの?」

「まあな」

「野菜とか育ててるのかと思った」

涼は無言だった

(もしかして、野菜が嫌い?)

< 8 / 144 >

この作品をシェア

pagetop