とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
朝、部室の掃除と換気当番ではやめに登校した日。

窓を開けたら、部室の裏で同じクラスの女子数人を見かけ、目を凝らすとその中心に、クラス委員の美里さんがいた。

「……は? やれっていってるんじゃなくてお願いしてるんだけど」

「できるわけない、でしょ」

クラス対抗の合唱コンクールが始まったが、放課後の練習に部活生が全く出てくれないと、麻琴も疲労していたが彼女も青ざめて疲れ切った顔をしていた。

 その表情は、連日のクラス委員の仕事のせいではなく現在集団で囲まれ脅されていることだとすぐに分かった。

「なに勘違いしてんの? あんたみたいなブス、どうみても引き立て役じゃない」

「みじめよねえ」

「お願いを聞いてくれたら、合唱コンクールも学際も協力してあげるってば。おねがい」

「――逆を言えば、私らに逆らったら、学際も合唱コンクールも散々よ。内申点、やばくなるんじゃない?」

 下品な笑い声に乱暴に窓を開けて、笑顔で話しかけてみた。

「おはよう。朝から皆、元気だね」

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