とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
「うそ。玉の輿なのに?」

逆に美香さんの方が私の発言に驚いてる。

そっか。結婚ってそこまで一応は考えてみるものなんだ。

ようやく、色々騙されて始まった『結婚』について、クリアな目で見れるようになった気がする。

一矢くん、最初の方は私との時間を作るために、家にはほぼ寝に帰っているだけだったものね。

「結婚式するなら、絶対の絶対の絶対に呼んでね。決まったらダイエット始めるからすぐに教えて。一年ダイエットすればだいぶ体も搾れるでしょ」

なぜか美香さんの方が私より結婚式やら先のことを考えている。

いや、私の方が考えが足りなかったのかな。結婚なんて何も考えずに生きていくつもりだったし。

これは大先輩の美里にも相談しておこう。あと正式に妹になった美矢さんもだ。

仕事の準備も終わり、予約もなくお客様も来なかったので、お店のSNS用に美香さんと作品を写メにとって加工していた。

美香さんは派手でダイナミックな色使いからか、イイねが桁違いについた。

対して私が雨をイメージして綺麗にグラデーションできた青色のネイルにはイイネが6しかない。しかも一つは辻さんだった。

さっそく空きの時間がないかメールでの問い合わせがあったとご満悦の様子。

対して私にきたメッセージは一矢くんからだ。

『今日届くはずだった野菜が、日曜になりそう』

『なので今夜、帰りにどっか食べて帰りませんか』

『仕事終わりのデートってなんなら初めてでしょ』
< 199 / 205 >

この作品をシェア

pagetop