とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
 雷のゴロゴロした音が響いていたけど、そこまで怯えずにすんだのは彼のおかげのようで少し悔しい。

 次の日の朝、妹さんではなく妹さんの旦那さんが作ったタッパの中身を温め、ご飯を炊いて、特に私が作るものがないことに気づいた。

なのでバナナと適当な野菜と蜂蜜、氷を入れてスムージーを作った。

氷は、触感が好きなので私の独断で入れているだけだけど。

「なんか、明日リベンジする」

「え?」

 わざわざネクタイの裾を胸ポケットに入れて、スムージーの写メを撮っていた彼が嬉しそうに私を見た。

「明日も作ってくれるの?」

「流石にスムージーだけじゃ、料理できる人とは言えないし。でも朝からこのおかずは多すぎる。お弁当に詰めようかな」

「お弁当も?」

 お弁当は自分のものだけを言ったつもりだったのに、彼の目から期待に満ちたキラキラ光線を受信してしまった。

「お弁当箱を用意したら作ってもいい」

「じゃあ華怜の休みの日に、この家に足りないものを揃えに行こう」

「平日だよ?」

忙しくて帰宅時間が午前様だった人が、平日に休みを入れられるとは思えない。

「調整する。つまらない心配はしなくていい」

全然つまらなくないと思うのだけど、スムージーを連写するような男だ。

きっと何とかしちゃうんじゃないか、そんな予想がする。

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