とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
「あら、美香ちゃん。今日は女の子なのねえ。あーた、女の子の友達いたの?」

美香さんが予約したお店と言うのが、駅の近くの繫華街の人気のパスタ屋――と同じテナントビルの最上階にあるBARだった。

食事しながら話すのかと思ったらいきなり飲みなのかな。

しかもオーナーらしき男性は、がっしりした筋肉質の肩を露出したカクテルドレス。スパンコールで輝いている。

「この子は私の後輩。パスタとピザお願いするね」

「え。メニューないよ?」

カウンターに座った美香さんが、メニューも見ずに言うのでみかねてそう告げると笑われた。

「ママはこのビルのオーナーだし、一階のピザ屋の店長だよ。このBARは惰性と言うか売り上げ無視の趣味だし。奥のテーブル席で邪魔者来ないで話せるじゃん」

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