とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
「安心して頂戴。白鳥とは、あいつの旦那をとりあったぐらいの戦友だから。あいつの部下は私の子猫ちゃんよ」

「意味わかんない」

美香さんは常連なのか、白鳥さんに連れてこられたのことがあるのか、オーナーと友達のように話している。

「ママ、この子、男性恐怖症だったんだけど克服できたかもって言うの」

「あら、おめでたいじゃない。男とセックスできたの?」

「ひっ」

運ばれてきた水が、レモン水で美味しいなと思った瞬間だったので口を押える。

吐きそうになってしまった。

「いえ、目を見せ話せる人ができただけです」

「じゃあ惚れた男ができたのね」

「逆かもって言うの。人として嫌いな男かもって」

オーナーは私を見て、ふむふむと立派な顎を触りながら観察してくる。

「あたし、こんな可愛い子嫌いなのよねえ。色白で目も大きくて、ちやほやされちゃって。あたしの方が胸は大きいし柔らかいのよ」

ふんっとポージングしながら威嚇され、苦笑いしてお茶を濁す。

見た目を褒められるのはあまり好きではない。謙遜してるとか驕ってるとか言われてしまい、どんな反応をしても印象が悪いから。

「男性恐怖症って言ったって、自分を守りたいだけでしょ。さっさと好条件の男を見つけたら、ガード解除して受け入れちゃうのよ。だって見る目が肥えているから」
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