とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。

私の知っている男と言えば、父と中学一年の

時の友人関係ぐらいしかない。

かずやと言えば、一人しかいないけれど。

「来てないと思うけど、どうして？」

『今から行ってもいい？』

突然の申し出に、少しだけ戸惑いつつも二つ返事で了承した。

美里には、結婚式を打診された三か月前に会ったきりだったので、会いたい気持ちもあったから。

＊

中一の終わりに女子校に転校するまで、私の親友だった美里。

私がクラスで一番人気者だったカズくんと仲良かったために、特定の女子に意地悪をされて孤立していた時に、唯一仲良くしていてくれた子だった。

いじめというには、わざと聞こえてくる程度の悪口とか無視とかその程度。

　私がその女子に嫌われたくなかったのなら辛かったかもしれないが、興味もないただの同級生にその程度の嫌がらせをされても、とくに気にすることもなかった。