百物語は終わらない
Tさんはそろそろ帰ろうかと、かばんを手にした。その時、部屋に置かれた電話が鳴り始めたの。こんな時間に誰だろう、とTさんは不思議に思いながら電話に出る。
「もしもし?」
Tさんが電話に出ると、ノイズ音が聞こえてきたの。しかし、ノイズ音以外何も聞こえてこない。
「もしもし?」
Tさんがもう一度訊ねても、相手は何も話してこない。いたずらだろうとTさんは思い、電話を切ろうとした。
「もう切りますよ?」
その時、低い声で相手が何かを喋った。
「…………クイ…………ニエカム…………」
Tさんは首を傾げながら電話を切る。そして、こんなことがあったといとこや友達に話して回った。
それから一年後、Tさんが亡くなったという知らせがいとこに届いたの。恋人と海水浴に行った時、海で溺れて亡くなったみたい。
しかし、それは普通の溺死体とは言えなかったらしいわ。だってTさんの足には………………死後一年は経過していると思われる男性の遺体が抱きついていたのだから。
「もしもし?」
Tさんが電話に出ると、ノイズ音が聞こえてきたの。しかし、ノイズ音以外何も聞こえてこない。
「もしもし?」
Tさんがもう一度訊ねても、相手は何も話してこない。いたずらだろうとTさんは思い、電話を切ろうとした。
「もう切りますよ?」
その時、低い声で相手が何かを喋った。
「…………クイ…………ニエカム…………」
Tさんは首を傾げながら電話を切る。そして、こんなことがあったといとこや友達に話して回った。
それから一年後、Tさんが亡くなったという知らせがいとこに届いたの。恋人と海水浴に行った時、海で溺れて亡くなったみたい。
しかし、それは普通の溺死体とは言えなかったらしいわ。だってTさんの足には………………死後一年は経過していると思われる男性の遺体が抱きついていたのだから。