百物語は終わらない
Eさんは、もうその怪奇現象の原因はムカサリ絵馬しかないと確信した。そして教授を説得する。

「教授、今すぐこの絵馬を返しに行きましょう!そしてお祓いに行くべきです!」

しかし、教授は首を横に振ったの。そして「ダメだ、ダメだ」と繰り返した。

その刹那、開いていたはずの扉がバタンと閉まった。扉が閉まるほどの強風なども吹いていない。Eさんはその現象に恐怖を感じたの。

でも、本当の恐怖はここから。教授は急にうつむき、お経をぶつぶつ唱え始めたの。Eさんは怖くなり、部屋から出ようとしたけれど扉は何故か開かない。

「かすますい!!」

Eさんは肩を教授に掴まれる。その時の教授の顔は、普段のものと全く違っていたの。何人もの人の顔が重なっていて、教授の顔ではなかった。

Eさんは悲鳴を上げ、教室から逃げ出したわ。そして、教授はその後行方不明になったそうよ。

教授があの時言った言葉、かすますいの意味は、山形の言葉でうるさい。教授は一体どこに消えたのかしらね?
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