百物語は終わらない
すると、女性はこう言った。
「いや、あたし一人暮らしだし!!泣き声とかあり得ないから!!」
お母さんは大家さんに確認したけど、アパートに赤ちゃんや小さな子どもは住んでいない。じゃあどこから泣き声が聞こえたかって?それは……お母さんの住んでいた部屋。お母さんにだけしか聞こえていない。
そして、一番の恐怖の時間が訪れたんだ。
ある日の夜、いつものように泣き声が聞こえてきてお母さんは目を覚ます。でもその日はいつもと違った。
ドンドンドン!と押し入れが激しく叩かれている。お母さんは目を閉じて恐怖に耐えていた。それが一分ほど続き、静かになった刹那、スッと押し入れが開いたの。そして、何者かがお母さんに近づいてくる。
何者かが布団にくるまるお母さんを見下ろした。お母さんは恐る恐るその正体を見たの。それは……この世のものとは言えない痣だらけの真っ青な体をした子どもだった。
お母さんはすぐに荷物をまとめ、お祓いをしてもらって別のアパートに引っ越した。後にお母さんが調べたところ、二十年ほど前、お母さんの住んでいた部屋には若い夫婦と小さな子どもが住んでいた。その子どもは日頃から虐待を受けていて、ある日遺体となって発見されたんだって。両親は夜逃げをして、子どもは衰弱死していた。お母さんが押し入れの中で見つけたあの人形は、その子が大切にしていたものだったみたい。
「いや、あたし一人暮らしだし!!泣き声とかあり得ないから!!」
お母さんは大家さんに確認したけど、アパートに赤ちゃんや小さな子どもは住んでいない。じゃあどこから泣き声が聞こえたかって?それは……お母さんの住んでいた部屋。お母さんにだけしか聞こえていない。
そして、一番の恐怖の時間が訪れたんだ。
ある日の夜、いつものように泣き声が聞こえてきてお母さんは目を覚ます。でもその日はいつもと違った。
ドンドンドン!と押し入れが激しく叩かれている。お母さんは目を閉じて恐怖に耐えていた。それが一分ほど続き、静かになった刹那、スッと押し入れが開いたの。そして、何者かがお母さんに近づいてくる。
何者かが布団にくるまるお母さんを見下ろした。お母さんは恐る恐るその正体を見たの。それは……この世のものとは言えない痣だらけの真っ青な体をした子どもだった。
お母さんはすぐに荷物をまとめ、お祓いをしてもらって別のアパートに引っ越した。後にお母さんが調べたところ、二十年ほど前、お母さんの住んでいた部屋には若い夫婦と小さな子どもが住んでいた。その子どもは日頃から虐待を受けていて、ある日遺体となって発見されたんだって。両親は夜逃げをして、子どもは衰弱死していた。お母さんが押し入れの中で見つけたあの人形は、その子が大切にしていたものだったみたい。