同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
その時のショックは計り知れないものだった。
同じクラスになった中学三年のあの時、俺は彼女に取り返しのつかない噓を吐いて、彼女の人生を狂わせてしまったのだ。

俺の勝手な行動で、西田の今後の進路が変わってしまった。
まさかあんな事になるなんて思わなかった。

俺は中学時代に生徒会長をしていた事もあり、高校進学に際して地元の県立高校に推薦で入学が内定していた。
西田も科は違うけど同じ高校を受験する予定だった。

彼女の学力なら合格は多分大丈夫だろうと思い、大雪が降って臨時休校が決まったあの日、連絡網を回さずに学校で二人きりになった時に告白する予定だった。

そして、もし想いが成就したら、四月からは晴れて一緒の高校に通う事が出来る。
安易にそんな事を想像していたのだ。

でも、想定外の事が重なった。

まず、西田が学校に到着する直前に、その日が臨時休校になっていた事がバレてしまった事。
まさか学校の近所に住む浅田と西田が会うと思わなかった。

そして、連絡網が回って来なかったショックで浅田のお父さんが西田を自宅に送り届けた後もずっと外で放心したままでインフルエンザに感染してしまい、肝心の高校受験を断念せざるを得なかった。

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