魔女狩り

-10-


城を訪れたグレイオスは、謁見の間で王との相対をしていた。


グレイオスが城を訪れたのは、国と砂漠の民とのさらなる紛争を防ぐためだった。



グレイオス
「先日の一件、誠に申し訳ありませんでした。
…しかし、我ら砂漠の民は王が命じた、砂漠と荒原を統べる者として、今回の一件を見過ごすわけにはいかなかったのです。」

ダリウス
「…確かに私が砂漠の民に、砂漠と荒原の統治を委ねた。
しかし、騎士団は我が国の軍であるぞ?
お前らが手出し出来るものではあるまい。」

グレイオス
「確かにその通りでございます。
…しかし、私はまず、盗賊を征伐する理由が納得いかないのです。
我らの同族は決して騎士を襲撃するようなことはいたしません。
そもそも盗賊の生業自体、悪人や秩序のない盗賊を標的に行うものなのです。
だからこそ、襲撃された騎士ラウルと我らの同族とは関係があるとは思えません。」

ダリウス
「…お前の言うことは一理あるのかもしれない。
だが、ラウルの死は、盗賊がもたらした情報であるぞ?」

グレイオス
「…その盗賊というのは今どこにいるのでしょうか?」

ダリウス
「その盗賊は今、ジャノスにおる。
金を欲してきたが、捕らえてジャノスの地下牢に幽閉しておる。」

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