俺様課長のお気に入り
「じゃあ、ここでな。俺の家は、ここから左に入って少し行ったところだ。
ケイ、陽菜をちゃんと連れて帰るんだぞ」

「ワン!」

「だからケイ君まで……私がケイ君を連れて帰るんでしょ。
要君、今日はランチをご馳走さまでした。
それから、ケイ君もすごく喜んでいました。ありがとうございます」

「ああ。陽菜は?」

「えっ?」

「陽菜は楽しかったか?」

「はい。不覚にも楽しんでしまいました」

「こら!不覚にもは余分だ。でも、陽菜が楽しめたならよかった。
俺も楽しかったよ。
ケイ、また遊ぼうな」

「ワン!」

頭を撫でられて、ケイ君は嬉しそうに尻尾を振っている。

「じゃあな、陽菜」

「はい。また会社で」

要君と別れて歩き出した。



ん?
なんか静かだなあ……
いやいや、さっきまで要君がいて賑やかだったんだから、別れて静かなのはあたりまえか。



「ケイ君、要君と遊べて楽しかった?」

「ワン!」

「そっかあ……」


本当に、本当に不覚だけど、私も楽しかった。
なんだかちょっとだけ、温かい気持ちになった。


「さあケイ君、ご飯の材料でも買いながら帰ろう」

「ワンワン!!」




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