俺様課長のお気に入り
午前中は、特に大きな問題もなく時間が過ぎていった。


「陽菜ちゃん、ランチに行くよ」

「はあい」

「タイミングが合ったから、山川もよんだわよ」

「わかりました」

夏美先輩と社員食堂に向かい、山川さんとも合流した。

「陽菜ちゃん、久しぶり。聞いたわよ!週末に、ケイ君と岩崎さんの3人で出かけたんだって?」

「そうなんですよぉ。半強制で要君が合流したんです」

「要君?」

「あっ……い、岩崎さんのことです。苗字だと他人行儀なんでしょうね。親しみを込めて呼べって言われて」

「で、要君?」

「はい。兄のことも翔君って呼ばされてるし、ケイ君も君呼びなので、要君ってしました。本人も気に入ったって言ってたし……」

声をひそめて、2人が話しだした。


「へぇ。岩崎さん、なかなかやるわね」

「でも、陽菜ちゃんったら抜群の鈍感力を発揮して、名前呼びの重要性をわかってなさそうよ」



「おふたりとも、何をこそこそ話してるんですか?」

「なんでもないよ。それで、3人でどこへ行ったの?」

「カフェでランチをして、そのまま犬を放して遊べるエリアに連れて行ってもらいました。そこで、ケイ君とたっぷり遊んでもらいましたよ」

「そう。それで、陽菜ちゃんは楽しかった?」

身を乗り出すようにして、山川さんが聞く。

「ちょいちょいちびっ子いじりはされましたけど……ケイ君もすごく満足そうだったし、私も不本意ながら楽しかったです」
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