蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
 その状況を頭が認識する前に、彼の呟きが落とされる。


「残念だな。俺は絶対にお前を嫌いにはならない」


 彼の端正な顔とあの切れ長の目が私の視界を覆ったのは、その声とほぼ同時だった。
 彼の目は相手を捕食する動物のような力強さに満ちていたけれど、それでいてとても優しい色を浮かべているように見える。


「……ん」


 彼の表情に見とれていると、目を閉じる間もなく唇と呼吸が優しく塞がれ、一瞬のうちに放された。
なにが起きたのかわからず、ただ目を見開いて彼を見上げる。


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