蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「温泉、楽しかった?」

「うん」


 勤務後、お土産の湯の花饅頭を渡すために立ち食い蕎麦屋で真帆と落ち合った。


「でも鷹取部長、温泉明けのくせに今日はなんだか低調だったみたいよ。温泉でなにか嫌がらせしたの?」

「してないわよ」

「今日は珍しくやたら欠伸してたし、夕方に営業企画部から帰ってきたらさらに黒いオーラ出してた」

「そうなの? 空き状況を確認しに橘部長のところに来ただけよ。橘部長が苦手なのかな」


 夕べはさっさと自分の部屋に入って寝たのに、なぜ寝不足なのだろう? 私の温泉観光のせいでそんなに疲れさせてしまったのだろうか? 昨日はそんな風には見えなかったのに。一緒に楽しんでくれていると思ったのに。

 帰宅してからの素っ気なさといい、いじけた気分になる。


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