蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「ずっと橘にいられない人だということはわかってたよ」
退職させてほしいという私の言葉を見越して、橘部長が微笑んだ。
「なるべく早いほうがいいんだよね?」
「はい。でも母には一カ月猶予がほしいと答えました。ご迷惑になるような辞め方はしたくないです。六月の披露宴ラッシュと、それから……綾瀬花音さんのイベントを終えてから」
例のイベントを挙げる私の渋い口調を聞いて、橘部長も苦笑する。
「じゃあ六月の末日付かな。それで調整しようか?」
「ありがとうございます」
隣に向かって深々と頭を下げる。
こうして正式に決まってしまうと無性に寂しい。母の電話を受けてからまだ三日。覚悟を決める猶予もなく、進めなければならないのが苦しかった。
「白川社長の具合は?」
「母から連絡があったのが金曜で、私はまだお見舞いに行けていないんですけど、母によると病院で騒いで看護師さんを困らせているそうです。もう大丈夫だ、退院させろって。禁酒禁煙なのが我慢ならないらしくて。そのぐらい元気みたいですよ」
「それならとりあえずよかった」
橘部長はそこでなにか思い出したらしく、笑い出した。
退職させてほしいという私の言葉を見越して、橘部長が微笑んだ。
「なるべく早いほうがいいんだよね?」
「はい。でも母には一カ月猶予がほしいと答えました。ご迷惑になるような辞め方はしたくないです。六月の披露宴ラッシュと、それから……綾瀬花音さんのイベントを終えてから」
例のイベントを挙げる私の渋い口調を聞いて、橘部長も苦笑する。
「じゃあ六月の末日付かな。それで調整しようか?」
「ありがとうございます」
隣に向かって深々と頭を下げる。
こうして正式に決まってしまうと無性に寂しい。母の電話を受けてからまだ三日。覚悟を決める猶予もなく、進めなければならないのが苦しかった。
「白川社長の具合は?」
「母から連絡があったのが金曜で、私はまだお見舞いに行けていないんですけど、母によると病院で騒いで看護師さんを困らせているそうです。もう大丈夫だ、退院させろって。禁酒禁煙なのが我慢ならないらしくて。そのぐらい元気みたいですよ」
「それならとりあえずよかった」
橘部長はそこでなにか思い出したらしく、笑い出した。