蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
 頭からも全身からも音を立てて血の気が引いていく気がした。


「親子って……?」


 私の様子を見た橘部長は自分の失態に気づいて慌て始めた。


「白川さん、知らなかったの? あいつ言ってないの?」

「…………」


 私は茫然として何も言えないまま首を横に振った。


「ごめん。お見合いまでしたから、当然知ってるものと思って、つい……」

「……お見合いのことは社長からお聞きになったんですか?」

「そうだよ。つい最近、ちらっとだけね。一緒に住んでることも」


 無理に作った笑顔で橘部長にうなずいてから、私は考え込んだ。

〝社にたかるいろいろな思惑から社を守るのも私の職務です〟

 蓮司さんが私に言ってくれなかったのは、私に〝たかられる〟のが嫌だったから? やっぱり排除目的でお見合いを受けたの?


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