蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「おめでとうございます。実店舗があるほうが、お客さまもじかに花をご覧になりながらオーダーできるのでご満足いただけるでしょうね」
ホテルの従業員でありながら重要決定事項を外部の人間から知らされる情けなさ。
蓮司さんと一緒に暮らしていながら、ひと言も教えてもらえなかった失望。
そうしたものを飲み込んで祝福の言葉を贈るだけで、今の私はもう限界だった。
それでも綾瀬花音の攻撃にはまだ続きがあったのだ。
「控えめぶっちゃって」
私に聞こえるか聞こえないかの音量でせせら笑うような独り言を漏らすと、彼女は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「それを決めてくださったのは鷹取部長よ。足繁く大阪に通ってくださって、何度もお食事をご一緒したわ。彼はこれから私たちとの永続的な関係を約束してくれたの」
微笑み続けているつもりだったけれど、さすがに私も表情を取り繕いきれていなかっただろう。
「初耳みたいね。白川花壇の策略で同棲に持ち込んだみたいだけど、実体がわかるってものだわ」
「私は一従業員ですので、個人的な事情は控えさせていただきます」
そう答えるのがやっとの私を見てようやく彼女は満足したらしく、またスマートフォンを眺めてばかりのいつもの態度に戻った。
ホテルの従業員でありながら重要決定事項を外部の人間から知らされる情けなさ。
蓮司さんと一緒に暮らしていながら、ひと言も教えてもらえなかった失望。
そうしたものを飲み込んで祝福の言葉を贈るだけで、今の私はもう限界だった。
それでも綾瀬花音の攻撃にはまだ続きがあったのだ。
「控えめぶっちゃって」
私に聞こえるか聞こえないかの音量でせせら笑うような独り言を漏らすと、彼女は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「それを決めてくださったのは鷹取部長よ。足繁く大阪に通ってくださって、何度もお食事をご一緒したわ。彼はこれから私たちとの永続的な関係を約束してくれたの」
微笑み続けているつもりだったけれど、さすがに私も表情を取り繕いきれていなかっただろう。
「初耳みたいね。白川花壇の策略で同棲に持ち込んだみたいだけど、実体がわかるってものだわ」
「私は一従業員ですので、個人的な事情は控えさせていただきます」
そう答えるのがやっとの私を見てようやく彼女は満足したらしく、またスマートフォンを眺めてばかりのいつもの態度に戻った。