蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「仕事のことは会社で聞く。プライベートには持ち込みたくない」
カップ酒を持つ私の指に力が入った。
今は少しだけ、彼を恨んでいた。
こうして親しげに飲み交わすふりをして、うしろ手で白川花壇の首を絞めているくせに。
最初からわかっていたはずなのに、彼に恋をするうちに忘れていた。
好きになって武装を解いてしまった私にあらためて突きつけられた現実は残酷な痛みを生んでいた。
でも全部自分から飛び込んだこと。
この会社に入ったことも、彼を好きになったことも。
「橘ホテル大阪とブーケ・ダンジュがテナント契約をしたと聞きました」
彼にこの話題を拒否されても、構わず私は続けた。
「……今日、彼女から聞いたのか?」
「はい」
空になったグラスに赤い液体が音を立てて注がれる。
カップ酒を持つ私の指に力が入った。
今は少しだけ、彼を恨んでいた。
こうして親しげに飲み交わすふりをして、うしろ手で白川花壇の首を絞めているくせに。
最初からわかっていたはずなのに、彼に恋をするうちに忘れていた。
好きになって武装を解いてしまった私にあらためて突きつけられた現実は残酷な痛みを生んでいた。
でも全部自分から飛び込んだこと。
この会社に入ったことも、彼を好きになったことも。
「橘ホテル大阪とブーケ・ダンジュがテナント契約をしたと聞きました」
彼にこの話題を拒否されても、構わず私は続けた。
「……今日、彼女から聞いたのか?」
「はい」
空になったグラスに赤い液体が音を立てて注がれる。