蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「先週やってたような華道とどっちが好き?」
隣で眺めていた彼が訊く。
「両方好きです。華道のほうが創造的だとは思うんですけど、こういうアレンジメントは人のために生けるものだから、それが楽しいです」
「華道とは目的が違うわけだな」
「そうですね。ブライダルなら新婦を一番綺麗に見せる花。新婦が新郎への想いを表現する花でもあります。追悼会なら、悲しみに寄りそう心を伝える花。花屋って地味ですけど、すごく素敵な仕事じゃないですか」
「バンケット担当で披露宴の世話をしてると、白川に戻りたくならないのか? 自分で生けたいとか思うだろ」
「確かに里心はつきますけど、今の仕事は面白いです。育ててくれた橘部長への恩義もありますし──」
そこまで言いかけて、私はやめた。アレンジメントが完成したからでもあるけれど、ふと部屋の温度が少し下がったような気がしたからだ。
隣で眺めていた彼が訊く。
「両方好きです。華道のほうが創造的だとは思うんですけど、こういうアレンジメントは人のために生けるものだから、それが楽しいです」
「華道とは目的が違うわけだな」
「そうですね。ブライダルなら新婦を一番綺麗に見せる花。新婦が新郎への想いを表現する花でもあります。追悼会なら、悲しみに寄りそう心を伝える花。花屋って地味ですけど、すごく素敵な仕事じゃないですか」
「バンケット担当で披露宴の世話をしてると、白川に戻りたくならないのか? 自分で生けたいとか思うだろ」
「確かに里心はつきますけど、今の仕事は面白いです。育ててくれた橘部長への恩義もありますし──」
そこまで言いかけて、私はやめた。アレンジメントが完成したからでもあるけれど、ふと部屋の温度が少し下がったような気がしたからだ。