過ぎた時間は違っても

楽しかった

楽しそうな表情をしている羽季の表情を見て分かった。私が羽季の勢いをいつも止めているから私に執着しているんだ。私がいれば止まる事が出来る、私がいれば止めてくれると思っているから。

「っ・・・」

「唯織!?ごめん!大丈夫!?」

胸が苦しい。ちゃんと息が出来ない。慶太郎おじさん、こういう時どうしたら良いって言ってたっけ。気道確保?深呼吸?放っておいても大丈夫なんだっけ?
羽季に抱き締められて数十秒、おかしかった私の体調は元に戻った。自転車は漕いでも大丈夫だったんだし、まだ階段は普通に上り下り出来る。本気でやり過ぎたのかも。体が羽のように軽かったから大丈夫だって油断したのかな。そうだと良いな。まだやりたい事、たくさんあるし。
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