過ぎた時間は違っても

ここが・・・

死後の世界って本当にあったんだ。ちょっと意外。てっきり命は亡くなったらそのまま真っ暗闇で、生まれ変われるのを待つものだと思ってた。眠って目が覚めるくらい一瞬で何十年の時が流れるんだと思っていた。
長くて白い、星の上を歩いているような道を辿っていくと暗闇から真っ白な世界に変わっていった。ここがどこなのか分からなくて見渡しても特に分かるわけもない。私はただ、次は何をすれば正解なのかを探っていた。

「お前、やっと死んだのか」

「・・・どちら様でしょうか」

生きていた世界では考えられないような、大きな布一枚で出来ているような服を着た髪の長い男の人が私を見下ろしていた。宙に浮いている椅子なんてさっきまであったっけと思いながら問いかけると男の人はそういえばという表情をした。
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