優しい彼と愛なき結婚
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「俺、どうしたらいいと思う?」
ココアの粉末を牛乳で溶かしながら、先程から繰り返している質問を口にする。
「さぁ」
「どうするべきだと思う?」
マグカップを2つ、ソファーのサイドテーブルに置き、そこで分厚い本を読んでいる親友に問いかけ続ける。
「優里のために、なにができると思う?」
「俺に聞くな」
冷たくあしらわれ、いつも相談にのってくれるレイは今回ばかりは答えるつもりはないらしい。
「さっさと帰って、話し合ってみればいいだろう」
「出てきた手前、回答も持たずに帰れないよ」
おばあちゃんと歩夢からは何度も連絡をもらってはいたが、応答する気にはなれずに無視を続けている。
優里からの連絡は、ない。
「水無瀬の告白にも動揺したし、母さんの気持ちを考えるといたたまれないし、優里のことを考えると頭がぐしゃぐしゃになる」
「水無瀬は食えない女だったな」
本から顔を上げず、レイは言う。
「四面楚歌だな」
「え?」
「綾人の周りには敵しかいない」
「ああ。可哀想な弟だよ」
綾人が本気で水無瀬を愛していたことは知っていた。綾人も純粋に他者をを愛せるのだと、そこだけは安心していたのに。
まさか水無瀬が綾人を利用としていたとは、未だに信じ難い。