優しい彼と愛なき結婚

昼食はいきなり重いものは遠慮したいと要望を出すと、大悟さんは冷蔵庫にある具材を使って海苔巻を作ってくれた。


おばあちゃんの漬けたきゅうりをご飯と海苔で巻いたものや、明太子巻き、ウインナー巻きもある。



午後から大学の授業だという歩夢にはお弁当箱に詰めてくれた。


「大悟さんが戻ってきてくれて良かった」

「電話にも出なくて色々悪かった」

「本当ですよ」


歩夢が私を心配して大悟さんのアルバイト先にも行ってくれたとは初耳で、申し訳なくなる。


「今度、歩夢の好きなものをなんでも奢ってやる」

「本当ですか?遠慮しませんよ」

「ガキの分際で遠慮すんなよ」


2人のやり取りを見ていると、おばあちゃんに肩を叩かれた。労わるように優しく。


「優里も遠慮しては駄目だよ、家族なのだから」


家族の絆。
信じていたつもりだったけれど、辛さや苦しみは自分ひとりで背負っていると思い上がっていたのかもしれない。

だから私がどうにかしないと、って力みすぎていたのかな。


大悟さんにも、おばあちゃんにも、歩夢にも。
もっと相談すれば、良かった。家族なのだからみんなで決めて歩めば良かったね。


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