優しい彼と愛なき結婚
お互い疲れていたのか、昨日は布団に入ると眠ってしまった。水無瀬さんも朝まで起きなかったようだ。
それにしても…スッピンも驚くほど素敵だったんですけど…
「桜野、取引先からクレームが入った。隼人と一緒に対処して来てくれ!」
「はい!」
窓際の席から声を張り上げた部長の言葉に頷き、後ろの席の隼人くんを見ると首を垂れていた。
「先輩、ごめんなさい…」
「いいわよ、どこの取引先?状況を教えて」
今朝は誰よりも早く出社したつもりだったけれど、既に市野さんがいた。私の机にはひとつの書類も仕事も置かれておらず、みんなが配慮してくれたことが伺えた。
もう万全だから残業も可能だと部長に伝えて、市野さんや奈緒さんにお礼を言った。市野さんはクールな反応で、奈緒さんには抱きつかれた。
休んで迷惑をかけた分、仕事で返したい。