優しい彼と愛なき結婚

お互い疲れていたのか、昨日は布団に入ると眠ってしまった。水無瀬さんも朝まで起きなかったようだ。


それにしても…スッピンも驚くほど素敵だったんですけど…


「桜野、取引先からクレームが入った。隼人と一緒に対処して来てくれ!」


「はい!」


窓際の席から声を張り上げた部長の言葉に頷き、後ろの席の隼人くんを見ると首を垂れていた。


「先輩、ごめんなさい…」


「いいわよ、どこの取引先?状況を教えて」


今朝は誰よりも早く出社したつもりだったけれど、既に市野さんがいた。私の机にはひとつの書類も仕事も置かれておらず、みんなが配慮してくれたことが伺えた。

もう万全だから残業も可能だと部長に伝えて、市野さんや奈緒さんにお礼を言った。市野さんはクールな反応で、奈緒さんには抱きつかれた。

休んで迷惑をかけた分、仕事で返したい。


< 144 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop