優しい彼と愛なき結婚
おばあちゃんにお土産を届け、その日は大悟さんの帰りを待つことにした。
やっと明日は休日で、朝起きれるかどうかの心配をしなくても済む。もし大悟さんも時間があるようだったら、どこかに出掛けられたらいいな。そんな期待を込めて待っていた。
午前1時過ぎ。
玄関の扉が開く音がした時には、ソファーでうたた寝をしていたようですぐに反応できなかった。
「起きてたの?」
「はい…」
出迎えようと思っていたのに、実際はソファーに座ったまま閉じそうになる目をなんとか開けた状態だった。
「今日は来てくれてありがとう」
そんな私を大悟さんは抱きかかえた。
「大悟さん!?」
身体が宙に浮き、そのまま寝室に連れて行かれる。これはお姫様抱っこ!?
「起きててくれたことは嬉しいけど。無理しないで、先に眠って」
「明日、会社休みだし…」
「何の予定もないのならデート行くだろ?まだ病み上がりなんだから、早く寝て明日に備えて」
ゆっくりベッドに下され、乱れた前髪を整えてくれた。布団までかけてもらい、されるがままだ。
「デート、できますか」
「もちろん」
「良かった…」
「うん。可愛い反応をありがと」
リビングからの灯りが漏れるだけの薄暗い寝室で、大悟さんが笑った気がした。
「おやすみ」
「……お、やすみなさい」
挨拶と共に、頬に口づけをおとされた。