優しい彼と愛なき結婚
おばあちゃんと歩夢も帰宅していて、大悟さんが来たことを知ると2人とも急にテンションが高くなった。
「おー、ばあちゃん。お好み焼き作るから、待っとけ」
「いいねぇ、好きだよお好み焼き」
夕方6時。
この時間はいつも自室でテレビを見ているおばあちゃんもリビングのソファーに腰を下ろした。
「大悟さん、後で大学の課題を相談してもいいです?」
「いいぜ、食べ終わったら見てやる」
私たち3人は元々、本当に仲が良い家族だったけれど大悟さんが加わり、より絆が深まった気がする。
そして今夜は疑いもせず、ホンモノの家族だと思えた。