優しい彼と愛なき結婚
そういえば最近の歩夢の夢を知らない。昔はサッカー選手だったけれど…。大学は幅広いことを学びたいという漠然とした志望だった。
「よし、焼けた。ほら、ばあちゃんどうぞ」
「ありがとう」
焼けたお好み焼みを三等分にしてそれぞれのお皿に取り分けてくれた大悟さんはすぐに新しいものを焼き始める。
「歩夢も早く食べな。こっちのお好み焼きソースがオススメ。マヨネーズもあるから」
「はい、いただきます」
明らかに話題が逸れてホッとしている歩夢を見て少しだけ心配になった。
「優里?早く食べな」
「はい、いただきます」
後でそれとなく聞けたらいいな。
歩夢に何か目標があるのならば、出来る限りのサポートはしてあげたい。その夢を否定するのではなく、一番の理解者になりたいとお姉ちゃんは思うんだ。