優しい彼と愛なき結婚
Yシャツの袖を器用にまくる副社長に見惚れる。本当に何をやっても絵になる人だ。
優美で大人の色気に溢れる。
お酒と共にお刺身などいくつかのつまみを注文してくれ、メニューをこちらに向けた。
「適当に頼んだから、後は桜野さんの好きなものを頼んで」
「ありがとうございます」
お酒が運ばれたタイミングで遠慮なくだし巻き卵に、帆立のバター焼きを追加注文した。
「それじゃぁ乾杯」
「乾杯」
誰かと飲みに行くことは久しぶりだ。忘年会など会社の行事には参加するが、個人的に飲みに行くことは久々だ。
「食べてね」
お刺身の盛り合わせと唐揚げ、おでんが並ぶ。
「いただきます」
先に副社長が唐揚げに手を伸ばしてくれたので、気兼ねなくおでんの大根を食べる。
あれ?来る前は緊張して味が分からないかも、と心配していたけれど。とっても美味しいです。